徒然なるaha日記

aha(アハ)という女が綴る日々

一昔前の義父へ

最近の自分を振り返り、優しい義父をふと思い出した。義父は私に子供ができる前に亡くなった。義両親は大きな喧嘩こそしないがすれ違いの夫婦だったようだ。

普段から帰省すると私以外は皆義母の話しか聞いておらず、義父の話に耳を傾ける私を喜んでくれていたのを思い出す。夫婦は跡取り問題などで両家の間で揉めていたようだった。義母も義父も各実家は跡取りが続かない。彼は義母を本当に愛していたようだったが、義母はそういう行動はなかった。(義母の女としての気持ちもわかるけどね)

事が起きてから葬儀に義母や夫など身内は大泣きした。彼らは自分達の職場から来る献花には目を通すが、私の当時の職場の献花は目に入らなかったようだ。花に限らず、泣き散らすが自分達以外にまるで目が入らず、私は(聞く話による)自分の妹の葬儀以来に酷い葬式を目の当たりにした。

一度ここで、芯から夫を嫌悪した。しかし、これから娘だからと短い間可愛がってくれた義父が見たがっていた孫を、そして血筋を続けたがっていた義父の苗字で産んであげたいと思って、初めて子供を持とうと思い妊娠した。

夫はとても落ち込み救いの手を伸ばしたので、できる限り励ましたんだが、私が父を亡くして同じ立場になった時に彼は違った。あの義実家の葬儀の態度そのものだった。考えたら今の自分は、夫といるうちに似たような人間になったんだと思った。自分しか守ろうとしていないなら、私だって自分の事しか考えたくないと。そのうち彼とずっと夫婦でいたら年老いて1人放って置かれて死んでしまうのか。私は義父のように最期も優しいままでいられる自信はない。少し背筋が寒くなった。

夫が一度危篤状態になった時に、家で言葉にできない空間の歪みを感じてお参りをして彼は生還したが、もしかしたら他者への祈願を起こす私の方を神様は守っていたのかもしれない。

お義父さん、教えてくれてありがとう。もう私は本来の自分に戻す時期なんだね。